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遺産相続レポート

遺言書と遺留分

2017.12.04

遺言書と遺留分|遺産相続の専門的な情報

最近、遺言書を書く人が増えています。平成28年中に全国で作成された公正証書遺言の件数は105,350件に上り、10年前と比べて30,000件以上も増えています(出典:日本公証人連合会HP)。皆様の中にも、遺言書を作ろうと考えている方や、亡くなった家族が遺言書を書いていたという方がいらっしゃるのではないでしょうか。
ところで、遺言書との関係でしばしば耳にする言葉で「遺留分」と言うものがあります。遺留分は、遺言書が登場する場面で時折問題になる重要なポイントですので、知識として押さえておくと良いでしょう。そこで今日は、遺言書と遺留分の関係をテーマにお話ししたいと思います。

遺留分は民法1028条以下に規定があり、その割合は(1)直系尊属(祖父母や父母)のみが相続人である場合は(法定相続分の)3分の1、(2)兄弟姉妹を除くその他の者が相続人である場合は(法定相続分の)2分の1と定められています。例えば、夫婦と子ども1人の3人家族で夫が亡くなった場合、妻と子どもの遺留分はそれぞれの法定相続分である2分の1のさらに半分となりますので、4分の1が遺留分という計算になります。なお、兄弟姉妹にはそもそも遺留分が認められていませんので、兄弟姉妹のみが相続人である場合は遺留分を気にする必要はありません。

遺留分が問題となるのは例えば次のような場合です。先程の3人家族のケースで夫が亡くなり、夫が書いた遺言書が出てきました。中身を見るとそこには「自分の全財産を慈善団体である○○に遺贈(寄附)する。」と書かれています。この場合残された妻と子は遺言書に従い、夫の遺産を1円も受け取る権利が無いのかといえばそうではありません。先程計算したように妻と子には、それぞれ4分の1の遺留分があります。この遺留分は遺言でも奪えない権利なので(廃除等の特別な場合は除きます。)、たとえ遺言書に全財産を遺贈すると書かれていたとしても、妻と子はそれぞれ遺産の4分の1に相当する財産を請求することができるというわけです。
そもそも遺留分制度というものは、残された相続人の生活保障を考えて作られた制度です。もし遺留分が無ければ、遺言書で100%自由に遺産を分配することが可能になりますが、それでは先程の例のように遺産を貰えなかった相続人が今後の生活に困ってしまうことになりかねません。そこで、遺言書による自由な遺産の分配と相続人の生活保障のバランスを取るために、現在の遺留分制度が設計されているというわけです。
なお、遺留分の請求には時効の制約がありますので注意が必要です。遺留分の時効は、(1)相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年(先程の例で言えば、夫が亡くなって遺言書の内容を知った時から1年)又は(2)相続開始の時から10年(遺言書の内容を知らないまま夫が亡くなって10年経った場合)経過した時ですので、遺留分の請求が手遅れにならないよう注意してください。

また、これから遺言書を書こうと思っている方や既に遺言書を作成済みの方も遺留分には注意することが必要です。先程の例のように残される家族が居るのに全財産を第三者に寄付してしまう場合や、家族の1人だけに全財産を集中させるような遺言書を書いてしまうと、後々財産を貰えなかった側の相続人が遺留分を請求する可能性があり、遺留分を巡って相続人間で争いになる恐れがあります。せっかく相続人同士が揉めないために遺言書を作ったにも関わらず、遺留分を無視した遺言書にしてしまったがために結局紛争になってしまっては元も子もありません。遺言書を作成する際は、余程の事情が無い限り遺留分に配慮した内容にすることが無難であると言えるでしょう。

遺言書で遺産を受け取る立場に居る方も、遺言書を作成する立場に居る方も、遺留分を意識することで自分の正当な権利を実現し、または円滑・円満な相続を実現することに繋がりますので、この機会に遺留分について覚えていただければ幸いです。

このレポート執筆の弁護士

高良 倉充

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