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遺産相続レポート

特別な方式の遺言

2018.07.23

遺言書

近年は,「争族」という言葉が広まるなど,相続対策の必要性を多くの方が認識されているので,お元気なうちに遺言を作成しておこうという方も増えてきています。

一般的な遺言の種類(普通方式の遺言)

一般的な遺言の種類(普通方式の遺言)としては,

  1. 全文と日付及び氏名を自署し押印する方式の自筆証書遺言
  2. 2名以上の証人の立会いの下,遺言者が遺言の内容を公証人に口授し,その内容を公証人が筆記し,遺言者・証人・公証人が署名押印して遺言書を作成する方式の公正証書遺言
  3. 遺言者が作成して封印した遺言書を証人及び公証人に提出し,遺言書の内容は秘密にしたまま遺言書の存在のみを公証人に証明してもらう秘密証書遺言

があります。

しかし,「まだ元気だから大丈夫」などと先延ばしにしているうちに,重い病などにより死が差し迫り,普通方式による遺言をする余裕がなくなってしまった・・・ということも考えられます。そうなると,もう遺言の作成をあきらめなければならないのでしょうか。

このような場合に備えて,民法では,死亡危急者遺言という特別な方式の遺言を定めています。

死亡危急者遺言とは

第976条(死亡の危急に迫った者の遺言)
1.疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは,証人三人以上の立会いをもって,その一人に遺言の趣旨を口授して,これをすることができる。この場合においては,その口授を受けた者が,これを筆記して,遺言者及び他の証人に読み聞かせ,又は閲覧させ,各証人がその筆記の正確なことを承認した後,これに署名し,印を押さなければならない。

死亡危急者遺言では,普通方式の遺言において求められる日付の記載,遺言者の署名捺印が要件とされておりません。また,普通方式の遺言の一つである自筆証書遺言と異なり,パソコン等を使用して作成することも差し支えありません。このように,死亡危急者遺言では,遺言者が生命の危険が差し迫った状況にいることに鑑みて,遺言作成の要件を緩和しているのです。

ただし,死亡危急者遺言は,あくまでも遺言者に生命の危険が差し迫ったという特別な状況下で例外的に許される方式であるため,遺言者が普通の方式で遺言を作成できるようになってから6か月生存していた場合には,効力を失います(民法983条)。

なお,特別な方式の遺言の中には,船舶が遭難して死の危険に直面した場合の遺言(民法979条)という極めてまれなケースも定められており,この場合は死亡危急者遺言よりもさらに要件が緩和されています。ただ,船が遭難している状況で2人以上の証人に立ち会ってもらい,なおかつその証人が無事に生還して遺言の趣旨の筆記や署名押印をしなければならないというのですから,実際にこのような形で遺言が作成されることはほとんど考えられないでしょう。

このように,生命の危険が差し迫った状況であっても,特別な方法で遺言を作成することは一応できますが,後日の紛争の可能性も否定はできず,実務上あまりお勧めはできません。円満な相続を実現させるためにも,お元気なうちから,しっかりと遺言を作成して相続対策を行っておくことをお勧めいたします。

このレポート執筆の弁護士

鈴木 翔

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