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遺産分割の前提問題

遺産分割の前提問題

遺産分割事件と密接に関係する問題として、(1)相続人の範囲(相続権の有無)、(2)遺言書の有無(効力)、(3)遺産の範囲が争われることがあります。これらの問題は、遺産分割の前提問題といわれています。

これらの問題は遺産分割事件そのものとは別個の問題として扱われますが、これらの問題が決着しないことには、遺産分割事件の最終的な解決にはなりません。

そのため、たとえば遺産分割審判を申し立てた場合でも、前提問題に争いがあれば、一旦審判を中断して、地方裁判所等での訴訟の結論を待ってから審判を再開することもありますし、場合によっては裁判所から審判申立ての取り下げを求められることもあります。

1. 相続人の範囲との関係

相続人の範囲との関係で特に実務上問題になる具体例としては、養子縁組無効確認の訴え、親子関係不存在確認の訴えが挙げられます。

2. 遺言書の効力との関係

遺言書の効力との関係で特に実務上問題になる具体例としては、遺言無効確認の訴えが挙げられます。

3 遺産の範囲との関係

名義上は被相続人の財産であっても、実際は被相続人の財産ではないとして遺産性が争われる場合があります。たとえば、登記上は被相続人の名義となっている不動産について、相続人の1人がその不動産は被相続人の生前に自分が贈与を受けたものであるから、遺産ではなく自分固有の財産であると主張する場合等です。

この場合、遺産性を否定する相続人は、被相続人から生前に贈与を受けた事実を立証する責任を負います。このように遺産性そのものが争われる場合には、遺産分割調停とは別の民事訴訟によって遺産性について判断されることが多く、遺産性の問題が解決した後に、再度遺産分割調停を進めることが実務上の運用です。

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