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遺言の効力

遺言書に記載されている財産が既に処分されていた場合の遺言書の効力

1. 遺言と異なる生前処分

遺言者が、遺言書に財産処分の方法(遺贈や遺産分割方法の指定)を記載した場合でも、その財産を生前に処分することまでは禁じられません。遺言は遺言者の最終意思を尊重する制度ですから、遺言作成後に遺言者が翻意して遺言内容と異なる財産処分を行うことは自由であるからです。そこで、遺言と異なる生前処分がなされた場合の、その財産について記載された遺言条項の効力や、他の遺言条項への影響が問題となります。

2. 撤回の効力が及ぶ範囲

遺言後に遺言と異なる生前処分がなされた場合は、その生前処分によって、遺言内容と抵触する部分については、遺言を撤回したものとみなされます(民法1023Ⅱ)。遺言の内容と矛盾する生前処分(売買、贈与等)がなされた場合に、撤回の効力が遺言の全体に生じるのか、一部に生じるのかは、場合によって異なります。

たとえば、1万円を遺贈する遺言をした後、遺言者がこの遺贈の代わりとして生前に5,000円を受遺者に贈与することとし、受遺者側も、以後金銭の要求をしないことを約束して5,000円を受け取ったという事案で、5,000円の生前贈与は、前の遺贈と両立させない意図のもとになされたことが明白であるとして、1万円を遺贈するとした遺言の全体について撤回があったと判断しました(大審院昭和18年3月19日判決)。

他方で、高松地裁平成6年2月18日判決では、遺言の対象となった土地の一部を第三者に売却して建物を取り壊したという事案について、遺言者が遺言の対象となった土地についての遺言の全部を取り消したものとは認められないと判断しました。このように、遺言と異なる生前処分がなされたときに、撤回の効力が遺言のどの範囲に及ぶかについては、遺言者と受遺者の遺言作成前後の関係性や遺言がなされた背景などの諸事情を総合して解釈されることになります。したがって、遺言と異なる生前処分がなされた場合に、その撤回の効力が及ぶ範囲について、相続人、受遺者間で争いが生じるおそれがあります。

そこで、後の紛争防止の観点から、遺言に書いてあった財産を処分したような場合には、従前の遺言をいったん撤回する旨の条項を設け、撤回の意思を明確にした上で、改めて遺言者が希望する内容の新たな遺言書を作成しておく必要があります。

3. 遺言と矛盾する身分行為による遺言の撤回

遺言作成後になされた離婚、離縁などの身分行為が生前処分に含まれることに争いはありません。たとえば、最高裁昭和56年11月13日判決では、終生の扶養を受けることを前提として養子縁組をし、その所有不動産の大半を養子に遺贈する遺言をした者が、後に養子と協議離縁をし、扶養も受けないことになったという事案において、前の遺言は協議離縁と抵触するものとして撤回されたものと判断されました。

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