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後継者の選定

事業承継マニュアル

第2章

事業経営の承継

集合写真
第1

後継者

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後継者の選定

(1)
親族からの選定
オーナー企業の後継者選びで、最も多いケースは、オーナー一族からの後継者選定でしょう。創業者の事業に対する愛着と肉親に対する情という理由もあるでしょう。また、 社内外をとりまく環境から身内以外考えられないといった場合もあると思います。例え ば、一族の個人資産に担保がついていたり、個人保証を入れている場合です(中小企業 はほとんどこのケースでしょう)。
身内を後継者に選ぶことの長所は、1事業に対する愛着が強く、事業継続への意欲も 高い、2会社との一体感を持ちやすい、3親の事業に取り組む姿勢を子供の頃から見て おり、経営の厳しさ、オーナーの哲学を理屈抜きで知っている、4対外的信用の継続の 基礎になる等が挙げられます。他方、短所は、1厳しい局面を経験していない、2創業 者よりは甘く育っているので、自主性がなく、依存心の強い経営に陥りやすい、3いつ も先代と比べられることのプレッシャーがのしかかる等が挙げられます。
とはいえ、今述べたことは一般論であり、後継者候補たる人物のパーソナリティー、 社内外をとりまく環境、そして創業者の後継者育成に対する姿勢いかんにより、上記の 長所が全く当てはまらないこともあります。また、逆に上記の短所を埋め合わせ、むし ろ長所に転化させていくことも可能になるのです。
(2)
複数の後継者候補を立てることの是非
よくあるのは、長男が社長で次男が専務の場合です。片方が娘婿というのもあるでしょう。
これは、会社の構成を一族で固めたいという気持ちから出たものであり、それは一概に否定されるべきものではありません。また、事業の規模のためにそうせざるを得ない こともあるでしょう。
しかし、後継問題につき方針を決めないまま漫然と入社させ、差をつけずにきたので あれば問題です。特に、得意分野や能力がさほど変わらなかったり、年代が近い場合に は、後々お家騒動を巻き起こす可能性をはらみます。たとえ現在仲がよさそうに見える 彼らも、その理由がオーナーが会社支配を確立しているからに過ぎないということもあるのです。むしろ、くすぶっていた問題が表面化するのは、オーナー亡き後に相続が問 題になってから、ということは決して珍しいことではないのです。
これに対し、例えば、子会社や関連会社が複数ある場合に各相続人にそれぞれを分担 させることで各相続人のエネルギー、能力を上手く使い分けていく事業承継は、一つの 有効な方法といえます。
(3)
身内に適当な後継者がいない場合
この場合にまず考えられるのは、社内に候補者がみつかるかどうかということでしょう。ここで考慮すべきは、例えば側近としての能力と経営者としての能力は別物ということです。
また、どうしても社内に候補者たるにふさわしい者が見つからない場合には、営業自 体を第三者に譲渡する、また株式を第三者に譲渡するなど、第三者への事業承継を検討することも考えられます。
(4)
いわゆる「中継ぎ社長」について
例えば、身内に後々後継者となるべき人物がいて、意欲も素質も感じられるものの、年齢・経験が浅すぎる場合には、側近、あるいは兄弟、妻を中継ぎ社長として立てることも考えられます。
この場合は、本人との間で社長就任の趣旨及び役割をはっきりさせておく必要があり、 就任後も後継者に対する道筋を付け、しかるべき時期が来ればきれいに身を退く態勢を 整える必要があります。そのためには、当人にその役割及び本分についての自覚が必要 であることは当然ですが、会社支配の見地から、持株はオーナーに留保しておくのが安 全といえます。

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