持ち戻し免除
持ち戻し免除一覧
判例No. 1043
大阪高等裁判所 平成25年(ラ)第704号 遺産分割審判に対する抗告事件
事件番号 | 大阪高等裁判所決定/平成25年(ラ)第704号 |
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判決日付 | 平成25年7月26日 |
判示事項 | 遺言による不動産の取得について、特別受益の持ち戻し免除が認められるためには、生前贈与の場合に比べてより明確な意思表示の存在が認められることを要するとした上、本件の遺言には持戻免除について何ら触れられていないこと、特別受益不動産の価額の割合が遺産全体の4割を占めることなどから、被相続人による黙示の持ち戻しの免除を認めなかった事例。 |
判例No. 1039
最高裁判所第1小法廷 平成23年(許)第25号 遺産分割審判に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件
事件番号 | 最高裁判所第1小法廷決定/平成23年(許)第25号 |
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判決日付 | 平成24年1月26日 |
判示事項 | 遺言による相続分の指定が遺留分減殺請求により減殺された場合、各相続人の相続分はどのように修正されるか。 特別受益に当たる贈与について持戻し免除の意思表示がなされている場合に、遺留分減殺請求がなされたことによる相続分の算定方法。 |
判決要旨 | 相続分の指定が、特定の財産を処分する行為ではなく、相続人の法定相続分を変更する性質の行為であること、及び、遺留分制度が被相続人の財産処分の自由を制限し、相続人に被相続人の財産の一定割合の取得を保障することをその趣旨とするものであることに鑑みれば、遺留分減殺請求により相続分の指定が減殺された場合には、遺留分割合を超える相続分を指定された相続人の指定相続分が、その遺留分割合を超える部分の割合に応じて修正されると解するのが相当である。 被相続人が、特別受益に当たる贈与につき、当該贈与に係る財産の価額を相続財産に算入することを要しない旨の意思表示をしていた場合であっても、上記価額は遺留分算定の基礎となる財産額に算入されるものと解される。そこで、被相続人の当該意思表示が遺留分減殺請求により減殺された場合、当該贈与に係る財産の価額は、上記意思表示が遺留分を侵害する限度で、遺留分権利者である相続人の相続分に加算され、当該贈与を受けた相続人の相続分から控除される。 |
判例No. 1034
東京高等裁判所 平成21年(ラ)第617号 遺産分割審判等に対する抗告事件
事件番号 | 東京高等裁判所決定/平成21年(ラ)第617号 |
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判決日付 | 平成22年5月20日 |
判示事項 | 寄与相続人であるとともに特別受益相続人でもある相続人がいる場合、同人が持ち戻しを命じられた特別受益の全体額が具体的相続分を超過するとしても、その超過した特別受益部分を審判により認定された寄与分からさらに差し引くことはできないとした事例。 |
判例No. 1024
東京家庭裁判所 平成17年(家)第4989号、平成20年(家)第299号、平成20年(家)第300号 遺産分割申立事件、寄与分を定める処分申立事件
事件番号 | 東京家庭裁判所審判/平成17年(家)第4989号、平成20年(家)第299号、平成20年(家)第300号 |
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判決日付 | 平成21年1月30日 |
判示事項 | 遺産総額(約2億6,700万円)及び被相続人の収入状況からすると、被相続人から相続人に対する継続的な送金のうち、一月に10万円を超える送金は生計資本としての贈与であると認められるが、これに満たないその余の送金は親族間の扶養的金銭援助にとどまり生計資本としての贈与とは認められないとされた事例。 被相続人が、相続人の子を3歳から高校卒業までの間の養育し、その費用を負担したことは、相続人自身に対する生計資本としての贈与とは直ちにいえないし、相続人の生計維持に貢献した分があったとしても、孫の養育費用について相続人の特別受益として考慮する意思は被相続人になかったと推認されるので、黙示的な特別受益の持戻し免除の意思表示があったものというべきとされた事例。 被相続人が経営する会社から支払われた給与について、仮に相続人に稼働実態がなかったとしても、会社からの贈与であって被相続人からの贈与とはいえないとされた事例。 |
判例No. 1006
最高裁判所第3小法廷 平成17年(許)第14号 遺産分割審判に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件
事件番号 | 最高裁判所第3小法廷決定/平成17年(許)第14号 |
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判決日付 | 平成17年10月11日 |
判示事項 | 相続の開始後、遺産分割未了の間に二次相続が開始した場合において、二次被相続人から特別受益を受けた者があるとき、持戻しは必要か否か。 |
判決要旨 | 遺産は、相続人が数人ある場合において、それが当然に分割されるものでないときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属し、共同相続人が取得する遺産の共有持分権は、実体上の権利であって遺産分割の対象となるというべきである。 |
判例No. 1004
最高裁判所第2小法廷 平成16年(許)第11号 遺産分割及び寄与分を定める処分審判に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件
事件番号 | 最高裁判所第2小法廷決定/平成16年(許)第11号 |
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判決日付 | 平成16年10月29日 |
判示事項 | 被相続人が保険契約者及び被保険者であり、共同相続人の1人又は一部の者が保険金受取人となっている養老保険契約に基づく死亡保険金請求権が、民法903条の定める特別受益に当たるか。 |
判決要旨 | 被相続人を保険契約者及び被保険者とし、共同相続人の1人又は一部の者を保険金受取人とする養老保険契約に基づく死亡保険金請求権は、その保険金受取人が自らの固有の権利として取得するのであって、保険契約者又は被保険者から承継取得するものではなく、これらの者の相続財産に属するものではないというべきである。また、死亡保険金請求権は、被保険者が死亡した時に初めて発生するものであり、保険契約者の払い込んだ保険料と等価関係に立つものではなく、被保険者の稼働能力に代わる給付でもないのであるから、実質的に保険契約者又は被保険者の財産に属していたものとみることはできない。したがって、上記の養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権又はこれを行使して取得した死亡保険金は、民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらない。 もっとも、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となると解するのが相当である。上記特段の事情の有無については、保険金の額、この額の遺産の総額に対する比率のほか、同居の有無、被相続人の介護等に対する貢献の度合いなどの保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人との関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して判断すべきである。 |