Q&A法律相談

第7 相続人

相続資格の重複

私は、父方の祖父の養子になっていますが、父が亡くなり、その後に祖父が亡くなりました。相続人としては、私以外に叔父2名がいます。
私は、祖父にとって孫であると同時に養子でもあります。このような場合、相続はどうなりますか。

ご相談のケースは、相続資格の重複の問題であり、相続資格の重複とは、1人の相続人に相続資格が複数帰属することです。
相続人としての資格が複数帰属する場合に、それぞれの相続資格に基づく相続分が加算されるかどうかが問題となります。実務上、加算する事例と加算しない事例があります。

子と代襲相続人の重複

本件のように、子(養子)としての相続資格と父を代襲した相続資格とが重複する場合、相続分の加算が認められており、子としての4分の1及び代襲相続人としての4分の1を合算した4分の2が相続分となります。

配偶者と兄弟姉妹の重複

例えば、Aの子BC、Dの配偶者Dという家族関係において、AがDを養子とした後Aが死亡し、後にCが死亡した場合に、Dは、Cの相続において配偶者と養兄弟姉妹という相続資格の重複が生じます。この様な場合、相続分の加算をせず、配偶者の相続分しか認めていません。

異順位資格の重複

兄が弟を養子とする場合には、 弟は子としての相続資格と兄弟姉妹としての相続資格の重複が生じます。
この場合、弟は第一順位の子としての相続資格が認められ、 第三順位の兄弟姉妹としての相続資格は第一順位の相続人の存在によって認められないことになります。