Q&A法律相談

第3 特別受益

特別受益

相続人の一人が被相続人から多額の生活費の援助を受けていたような場合、相続額に反映されることはありますか。

ご質問の内容は、法律上、特別受益の問題です。
相続人が、婚姻、養子縁組のためや生計の資本として、被相続人の生前、既に被相続人から財産の一部を譲り受けているような場合、そのような財産の取得を特別受益として、相続分を算定する上で考慮する必要があります。そうでなければ、特定の者だけが多額の財産を承継できることになり、公平に反するからです。
特別受益がある場合の相続分の計算方法ですが、相続発生時の遺産に、特別受益財産を加算して、生前に渡された分を含めた実質的な遺産の額を算出します。この実質的な遺産額をみなし相続財産といいます。次に、みなし相続財産に各人の相続分を乗じて、各人の取得分(各人のトータルの取得分)を算出します。この取得分から、特別受益分(前渡分)を控除した分が、相続の際に取得する具体的取り分となります。
ただし、特別受益が各人の取得分を超過しているときは、その超過分について相続人間で清算する必要はありません。

尚、上記のようなみなし計算を行って特別受益分を考慮することを特別受益財産の持戻しといいますが、被相続人が持戻し免除の意思表示をすることが出来ます。