Q&A法律相談

第3 特別受益

特別受益―遊興費

先日、母が亡くなりました。相続人は、私と弟です。
ところで、弟は10数年前に何年間か、ギャンブルに嵌まり、母がその尻拭いをしていた時期がありました。総額で500万円程度はあったとのことです。預金通帳から振込みの経過は証明できます。
これを特別受益として、弟の相続分を減らすことが出来ますか。
また、特別受益になるとしても、10年以上経っていることから、時効で消滅しているということがありますか。

民法の条文上、特別受益が認められるのは「婚姻、若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた」場合に限定されています(903条1項)。したがって、生計の資本ではない単なる遊興費などは、特別受益には含まれません。

但し、遊興費で生活費が不足したために、援助した等の理屈が付けば、特別受益にあたるとされる可能性も皆無ではありません。そのような場合、こちら側から相手方が生計の資本として贈与を受けたことを立証しなければならないでしょう。
なお、特別受益に期間制限はなく、時効にかかることはありません。