Q&A法律相談
第7 相続人
相続人の順位
先日、実家を継いでいた長兄が亡くなりました。但し、長兄は未婚で妻子はありません。
母は既に亡くなり、父は認知症で施設に入っています。
長兄が亡くなった以上、私の弟(三男)の二男を後継者にして実家を継がせることを考えています。
又、私の妹が、近くに住んで、母や認知症の父の面倒を見てきたので、その労にも報いたいと思います。
弟の二男や妹に長兄の財産を渡すことが出来るでしょうか。
被相続人に配偶者が無い場合、相続資格は第1順位が子、第2順位が直系尊属、第3順位が兄弟姉妹です。
被相続人である「長兄」には、配偶者も子もなかったということですから、相続権があるのは直系尊属である「母」のみです。「弟の二男」や「妹」に相続権はありません。
「長兄」の遺産は観念上「母」の単独相続となっており、家庭裁判所に申立てて「母」に後見人をつけ、「長兄」の遺産を一旦「母」名義に移転する手続を取っておくか、「母」が亡くなるのを待って、兄弟間で遺産分割協議をするしかないでしょう。
そして、「母」の死後の遺産分割協議において、「妹」の貢献に報いるため、一定の財産を相続させることは出来ます。
しかし、実家の承継に関しては、「弟」が死亡して「弟の二男」が「母」に対する代襲相続人になっているのでない限り、実家の「長兄」の財産を「弟の二男」が「母」から直接相続することは出来ません。一旦「弟」が実家の財産を承継した上で、「弟の二男」が相続その他の方法により承継していくことになるでしょう。