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Q&A法律相談

第1 遺産分割

遺産分割の時期

祖父名義の不動産多数が相続登記をなされないまま、50年近く放置されています。
今から、遺産分割をすることができますか。
遺産分割に時期的制限はありますか。

時期的制限

遺産分割は、相続開始後いつでも行うことができるとされています。遺産分割に時期的な制限は設けられていませんし、一定期間の経過によって遺産分割を行う権利が消滅することもありません。遺産分割は、遺産共有状態の解消を目的とした各遺産の配分手続であり、物権的請求権が消滅時効にかからないことと同義に考えてよいからです。
罰則等もありません。
ただ、長年放置されていると、更に数次の相続が起こり、関係者が増え、連絡も取りにくくなるという問題があります。法律上の時期的制限がないとしても、関係者の連絡を取りやすいうちに分割しておくことが賢明です。

遺産分割の禁止

もっとも、被相続人の遺言、家庭裁判所の審判ないし調停、相続人全員の合意によって、一定期間遺産分割を禁止することができます。 この場合には、例外的に、遺産分割に時期的な制限が生じることとなります。

相続税申告期限との関係

税法上、相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内とされており、その期間内に納税地の所轄税務署長に相続税の申告書を提出し併せて相続税の納付をしなければなりません。
実務上は、この相続税申告期限を目安に遺産分割がなされることが多いといえますが、これは税法上の期限であって、遺産分割そのものの期限ではありません。

なお、相続税申告期限内に遺産分割が完了しない場合には、相続税の計算は、遺産を各相続人が法定相続分で取得したものとして未分割財産の計算を行い、各相続人の納付すべき相続税額を計算します。その後、遺産分割が確定した段階で、当初の申告期限に提出した申告書に記載した相続税額に増減が生じたときは、修正申告(増額の場合)または更正の請求(減額の場合)をすることにより納税額の精算を行います。