Q&A法律相談
第2 遺留分
遺留分権利者
遺留分というのは、法定の相続人であれば、誰にでも認められる権利なのでしょうか。
違うということを聞いたことがありますが、実際に、どの範囲の相続人に認められる権利なのか教えてください。
遺留分権利者
遺留分権利者は、民法上、兄弟姉妹及びその代襲者以外の相続人とその承継人がこれにあたります。
すなわち、配偶者、子(あるいは子の代襲相続人)、直系尊属のみが遺留分権利者となります。
包括受遺者
包括受遺者(遺言で一定割合または全部の財産を遺贈された相続資格を有しない第三者のことをいいます)は、民法上「相続人と同一の権利義務を有する」と規定されているため、遺留分資格を有するか問題となりますが、遺留分は相続人固有の地位に基づく権利であるため、包括受遺者は遺留分権利者とはなりません。
相続権を喪失した場合
兄弟姉妹以外の法定相続人が、相続権を喪失している場合に、遺留分にも影響するのか問題となります。
遺留分の制度趣旨としては、被相続人の遺産に対して有していた潜在的持分の顕在化あるいは、遺留分権利者の生活保障という説明がなされており、これは相続資格と連動するものといえます。
よって、相続資格の喪失は遺留分権利者の地位の喪失を意味することになります。
具体的には、相続欠格者、相続人から廃除された者、相続放棄をした者には遺留分は認められません。