解決例

第2 遺言書をめぐって争いとなった事例

事例3 筆跡に疑義がある遺言書が出てきたケース

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相続関係

父が逝去、相続人は相談者(長女)と相手方(二女)と養子。

財産の内容

不動産

1億7,000万円

金融資産

8,000万円

相談内容

相手方に全ての遺産を譲る、という内容の自筆の遺言書が出てきました。
しかし、私の記憶にある父の筆跡のクセが全く出ておらず、遺言書の父の筆跡にどうも違和感がありました。
とはいえ、もう何十年も父と交流がなかったので、直近の父の筆跡は見当たらず、諦めかけていました。

結果

当方は、遺言無効確認請求訴訟を提起し、まず裁判所を通じて相手方に対して父の筆跡が記載されている文書の提出を求めていき、結果として晩年の父の筆跡がふんだんに記載されている日記帳の取得に成功しました。
そして、その日記帳から導かれる父の筆跡と遺言書に記載されている父の筆跡には矛盾がある旨を説得的に主張していきました。
また、あわせて、父の筆跡であったとしてもその当時は既に認知症の症状が現れていたことから、遺言能力がなかったと主張しました。
結果として、
(1)遺言書は無効。
(2)不動産は全て当方が取得。
(3)代償金として約8,000万円を支払う。
という和解が成立しました。