相続問題の専門知識

相続税

相続税計算中の遺産に係る基礎控除額の算出

10. 相続税の計算中、遺産に係る基礎控除額はどのように算出しますか

相続税の総額を計算する上では、同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格の合計額から、次の算式により計算した遺産に係る基礎控除額を控除します。

3,000万円 × 600万円 × 法定相続人の数(※)

※ 法定相続人の数については、基本的には民法の規定による相続人の数となりますが、次の(1)又は(2)の場合においては、それぞれに掲げる相続人の数を用います。

(1) 相続を放棄した者がいる場合

この場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人の数を「法定相続人の数」とします。

(2) 被相続人に養子がある場合

この場合には、次の1又は2に応じ、養子の数をそれぞれに掲げる数に制限した上での相続人の数を、「法定相続人の数」とします。

  1. その被相続人に実子があるとき又は実子がなく養子の数が1人であるとき:1人
  2. その被相続人に実子がなく、養子の数が2人以上であるとき:2人

なお、この場合においては、次のイ~ハに掲げる者は実子とみなされます。

  1. 民法に規定する特別養子縁組による養子となった者
  2. その被相続人の配偶者の実子(連れ子)でその被相続人の養子となった者
  3. 実子、養子又はその直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失ったため民法の規定による相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)となったこれらの者の直系卑属

ただし、上記1又は2の養子の数を法定相続人の数に算入することが相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合においては、その養子の数は「法定相続人の数」に算入されないことがあります。