解決例
第1 遺産分割案で当事者間にはなはだしい対立のあった事例
事例24 相手方の子への遺贈が相手方への遺贈と同一視されることが認められたケース
相続関係
父が逝去、相続人は、相談者(長女・二女)と相手方(長男・二男)の4名。
財産の内容
不動産
5,500万円
自宅土地建物
金融資産
6,500万円
相談内容
父は生前に自筆の遺言書を3通遺しており、うち2通によって、遺産である不動産の1つを相手方長男と長男の妻に、もう1つの不動産を相手方二男の子にそれぞれ譲るとされていました。
残り1通の遺言書は、自宅の土地建物を既に亡くなっている母に譲る、とされており、次の承継者も指定されていませんでした。
結果
相手方長男は遺贈された不動産以上に遺産の取得は望まないとしましたが、相手方二男は自分の子が不動産を取得したに過ぎないとして、法定相続分の分割を求めました。
当方は、相手方二男の子が遺言により不動産を取得した事を以て、実質的に相手方二男も遺言により不動産を取得したとみることができると主張し、遺言によりすでに不動産を取得している以上、残る不動産は当方が取得すべきものであることを丹念に主張しました。
結果として、
(1)不動産は当方長女、二女が取得する。
(2)金融資産は当方長女、当方二女、及び、相手方二男とで等分に取得する。
という調停が成立しました。