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遺産相続レポート

祭祀財産の承継~祭祀主宰者とは~

2017.11.13

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最近、生前にお墓を購入するだけでなく、自分が亡くなった後にどのような形で葬儀をあげてもらいたいか、その後、どれくらいの期間、どのような供養をしてもらいたいかを決め、予め葬儀会社やお寺に依頼しておくという方が増えています。遺産相続と合わせて終活の一貫として、同時に準備を進める方が多いですが、このようなお墓は誰に引き継がれるのでしょうか?

預貯金や不動産などのいわゆる相続財産と同じように、当然に法定相続人に引き継がれるとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、法律上は、全く別の問題として取り扱われることになっています。

民法上、相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継すると定められていますが(民法896条)、系譜(家系図等)、祭具(位牌や仏壇、神棚等)および墳墓(墓石や墓碑等)などのいわゆる「祭祀財産」と呼ばれているものについては、相続財産とはならず、祖先の祭祀を主宰すべき者が承継すると定められています(民法897条1項本文)。なお、遺骨そのものや墓地の使用権も、祭祀財産に含まれると考えられています。この祖先の祭祀を主宰すべき者を、法律上、「祭祀主宰者」といいます。

この祭祀財産が、通常の相続財産とは異なる取扱いをされるのは、祭祀財産は、預貯金などの単なる財物とは異なり、各家系における宗教信仰上の問題や故人の弔いという人間として大切な行いと深く関連しているためと考えられています。このように祭祀財産の承継は、法律上も相続財産とは切り離した形で扱われるため、法定相続人である祭祀主宰者がいわゆる相続放棄をしても、祭祀財産を承継することは可能とされています。逆に、祭祀財産の承継には、相続放棄のような規定はないので、法律上、承継を拒否することはできませんが、祭祀主宰者が法的に祭祀をなす法的な義務まで負うわけではないとされています。 このような大切な意味がある祭祀主宰者ですが、法律上、どのように決まるのでしょうか?

一般的には、「長男」が祭祀主宰者になることが多いのかもしれませんが、民法上は必ずしもそのような定めにはなっておりません。第1に、祭祀主宰者は、被相続人自身が口頭あるいは書面により具体的に指定していた場合には、指定された人が祭祀を主宰することになります。第2に、このような指定がない場合には、被相続人が亡くなった地域や属していた地方の慣習に従い祭祀主宰者が決められます。この第1、第2の方法によっても祭祀主宰者が決まらない場合には、第3として、家庭裁判所が定めるという方法が用意されています(民法897条1項2項)。

第1の方法で最も多く用いられるのが、遺言書の中で祭祀主宰者を指定する方法です。自筆はもちろん、公正証書で遺言書を作成する際にも、この祭祀主宰者を指定するか否かは任意であるため、逆に、遺言書の中で祭祀主宰者の指定がなされるケースでは、被相続人がその方を最も信頼し、後を託すという意味が込められていることが多いといえます。そのため、遺言書の中の相続財産の配分においても、他の相続人と比較して、祭祀主宰者に対しては少し手厚い配分がなされていることが多いように感じます。なお、被相続人が指定する祭祀主宰者の場合、その資格に制限はありませんので、法定相続人である必要はなく、血縁関係のある親族である必要もありません。また、氏(姓)が同じである必要もなく、複数人が指定されていても問題ありません。

それでは、第3の方法である家庭裁判所が入るケースではどのような基準で祭祀主宰者が決められるのでしょうか?
判例上、家庭裁判所は、祭祀主宰者を指定するにあたっては、以下の事情を総合的に考慮して決めることとされています。

  • 祭祀主宰者の候補者と被相続人との間の身分関係や事実上の生活関係(同居の有無や住居の近さ等)
  • 祭祀主宰者の候補者と祭具等の間の場所的関係(お墓までの距離等)
  • 祭具等の取得の目的や管理等の経緯
  • 祭祀主宰者の候補者に関する祭祀主宰の意思や能力
  • その他一切の事情(他の相続人や親族の意見等)

裁判所に祭祀主宰者を決めてもらうという方法は、あくまで最後の選択肢になりますので、祭祀主宰者を誰にするかを迷われている方は、可能な限り、遺言書の中で指定いただくことをお勧めします。なお、祭祀主宰者を決める際には、裁判所における上記のような基準も参考になると思います。

「相続」というと、ともすれば財産の配分をどうするかということのみに目が行きがちですが、「祭祀の承継」という点も合わせて考えていただければと思います。

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