解決例
第1 遺産分割案で当事者間にはなはだしい対立のあった事例
事例8 債務の引継ぎが問題となったケース
相続関係
父が逝去、相続人は相談者(二男)と相手方(長男)と母。
財産の内容
不動産
7,800万円
金融資産
3,000万円
相続債務
4,800万円
相談内容
「不動産のほとんどに住宅ローンの抵当権が付されていて、自分にはとても返せる金額ではない。むしろ相続放棄をするべきではないか。」と、この相続手続きに関与すること自体とても億劫になっていました。
しかし、兄は、「借入れ先の銀行に迷惑はかけられない」、年金生活である母は別として、「父の後始末は兄弟で付けるべきだ」 と言って債務の引継ぎを要求して譲らず、債務をどうするのか全く折合いがつきませんでした。
結果
当方は、不動産を取得しても管理できず宝の持ち腐れとなるが、反面、相手方が取得する事となれば有効に活用されるはずだと説得的に主張しました。
結果として、
(1)相手方が遺産の全てを取得する。
(2)相手方は、代償金として 相談者に約1,500万円を支払う。
(3)借換え手続きを経て、全ての相続債務は相手方が負担承継する。
という調停が成立しました。