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遺産相続トピックス

認知症の相続人がいる場合の遺産分割手続

2017.12.25

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1.はじめに

日本は、平成19年の時点で、全人口に占める高齢者の割合が21%を超え、「超高齢社会」となっています。このような状況からすれば、相続人の中に、認知症となってしまっているケースも増加してくるものと思われます。
そこで、今回は、相続人の中に認知症患者がいる場合の遺産分割手続について詳しく見ていきたいと思います。

2.認知症の相続人を除外して遺産分割協議を行っても無効であること

(1)相続人が認知症患者である場合であっても、その人に相続人としての権利があることには変わりはありません。
(2)そして、遺産分割協議が成立するには、相続人全員の合意が必要とされています。よって、相続人の一部を除外して遺産分割協議が成立しても、無効となってしまいます。
(3)そのため、認知症の相続人を含めた相続人の全員が、遺産分割協議に参加することが必要不可欠となります。

3.遺産分割協議を行うためには意思能力が必要であること

(1)遺産分割協議の合意は、法律行為に該当します。そのため、意思能力(自分の行為の結果を正しく認識し、これに基づいて正しく意思決定する精神能力)がないとできません。意思能力がない場合の法律行為は無効とされます(大判明治38年5月11日民録11輯706頁、改正民法第3条の2)。
(2)このため、相続人である認知症患者の認知症が重症であり、意思能力がない場合、その相続人はそのままでは遺産分割協議に加わることができないということになります。但し、一口に認知症といっても、その症状や進行具合には差があり、認知症であるからと言って必ずしも意思能力がないということになりません。

4.成年後見人を選任した上での遺産分割協議の流れ

(1)相続人である認知症患者の認知症が重症であり、意思能力がない場合には、成年後見制度を利用した上で、遺産分割協議を行わなければなりません。その流れを説明していきます。
(2)そもそも、成年後見制度とは、判断能力が低下またはなくなった人のために第三者である成年後見人を選任し、本人のために、代わってその財産を管理する制度です。成年後見人には、本人の財産管理全般にわたって代理権がありますし、本人が勝手に行った行為の取消権もあります(民法第9条)。そのため、重症の認知症患者である相続人に代わって、遺産分割協議の合意をすることができます。
(3)このような成年後見人を選任してもらうためには、当該相続人の住所地の近くの家庭裁判所に申立てをしなければなりません。その際には、住民票や医師の診断書などが必要になります。
(4)成年後見人には、親族の方や、第三者である専門職(弁護士や司法書士等)が選任されます。候補者がいる場合には、家庭裁判所への申立ての際に、その旨記載することになります。
(5)成年後見人が選任されるまでは、相当な期間がかかります。無事、選任されたら、遺産分割協議を進めていくことになります。その際、成年後見人は、法定相続分を大きく下回る内容での遺産分割協議に応じることはできないとされています。なぜなら、成年後見人は、本人の利益のためにその財産を管理する立場にあるからです。

5.相続人の中に認知症患者がいる場合の対策

(1)このように、成年後見人を選任した上での遺産分割協議には、時間も手間もかかることになります。そのような時間や手間がかからないようにする方法をご紹介します。
(2)それは、生前に遺言書を書いておくことです。遺言は、遺言者による意思表示であるため、相続人や受遺者の意思能力は問題とならず、相続人らの遺産分割協議なしで、相続手続を進めていくことが可能になります。
(3)そのため、自分が亡くなった時の相続人になるであろう人の中に、認知症患者がいる場合には、死後に相続人らに余計な時間や手間をかけさせないためにも遺言書を書いておくことをお勧めします。

6.まとめ

このように、相続人の中に認知症患者がいる場合の遺産分割手続には、成年後見人の選任という別途の手続きが必要な場合がありますし、実際にその手続きが必要かどうかの判断も必要になります。また、そのような手続きが不要となる事前の対処法として遺言書を書いておくにしても、どのような内容にしておくべきかという問題もあります。相続人の中に認知症患者がいる場合で、何かわからないことがあれば、弁護士に相談されることをおすすめします。

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