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判例No. 1072
東京地方裁判所 平成26年(ワ)2823号 遺産分割協議無効確認等請求事件
事件番号 | 東京地方裁判所判決/平成26年(ワ)2823号 |
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判決日付 | 平成28年10月19日 |
判示事項 | A国の戸籍に記載されていた被相続人の相続に関し、相続人の一人が他の相続人に対し、A国民法に基づいて、遺産分割協議の通謀虚偽表示による無効を主張し、予備的に同協議の錯誤による取消(※A国民法に基づく)を主張した事案である。原告は、遺産分割協議の通謀虚偽表示無効の理由として、遺産分割協議に出席した税理士から、葬儀費用・税金等を直ちに支払うためには被相続人名義の預金口座を被告名義の口座に換える必要があると言われたことから、本件協議書の内容の合意をする意思がないにもかかわらず、通謀してそのような意思があるように合意したことを主張し、遺産分割協議の錯誤取消の理由として、(1)税理士の上記説示により、被相続人名義の預金口座を被告名義の口座に換える必要があるとの錯誤に陥ったこと、(2)遺産分割協議書に署名押印する前後に証人Bから「事後報告を完全にしてください」という発言があったため、後日、真実の遺産分割協議があるものと誤信したことを主張した。 これに対し、本判決は、証人Bの供述は、本件協議書に署名・押印がされた場面についての重要な点すら覚えておらず信用できないと述べた上、原告の供述等のみでは原告らの主張する事実を認定することはできないとした。また、仮に税理士から上記原告の主張するような発言がされたとしても、遺産分割協議書には、遺産分割方法が記載されており、原告らはそれに署名押印していること、原告は社会経験のある成人であること、相続人らが一同に会する場で、弁護士立会いの下、印鑑証明書を持参し、実印で押印していること等を認定し、原告が本件協議書の内容を理解せずに署名押印したとは認められないとして、原告の虚偽表示無効の主張を認めなかった。 また、錯誤取消については、上記の理由に加え、遺産分割協議の対象に不動産が含まれていることから、原告が、法要等の支払いのために分割協議をしなければならないと誤信することはないこと、遺産分割協議の前に読み上げられた被相続人の遺嘱には、被告に財産処分を任せるとの意向が記載されており、原告はその内容に同意していたと認められること等から、原告は錯誤に陥っておらず、仮に錯誤があったとしても過失があるとして、原告の錯誤取消の主張も認めなかった。 |
判例No. 1069
東京地方裁判所 平成26年(ワ)20311号 遺産分割協議不存在確認等請求事件
事件番号 | 東京地方裁判所判決/平成26年(ワ)20311号 |
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判決日付 | 平成28年9月8日 |
判示事項 | 相続人の一人が他の相続人に対し遺産分割協議の不存在を主張し、予備的に同協議の錯誤無効を主張した事案である。原告は、遺産分割協議の不存在ないし錯誤無効の理由として、 (1)遺産分割協議書の内容の協議が行われたことはないこと、 (2)署名押印が必要な金融機関への提出書面と共に遺産分割協議書を渡され、気が付かないうちに遺産分割協議書に署名押印をしてしまったことを主張した。 これに対し、本判決は、原告の供述は、自ら署名・押印を行ったか否か等の重要な点で変遷しており信用できないと述べた上、原告が他の相続人と同様、遺産分割協議書に自ら署名・押印した事実が認められる以上、遺産分割協議書は真正に成立したものと推定され、これを覆すに足る証拠がないとして、遺産分割協議の成立を認めた。 また、原告が、遺産分割協議書の作成に先立って行われた協議に毎回同席し、その経緯を見ていたこと、協議段階において暫定的な分割案を示した書面を受け取っていたこと等を認定し、原告が遺産分割協議書の内容を理解した上で同協議書に署名押印したことが推認できるとして、原告の錯誤無効の主張も認めなかった。 |
判例No. 1057
東京地方裁判所 平成25年(ワ)第8188号 不当利得返還等請求事件
事件番号 | 東京地方裁判所判決/平成25年(ワ)第8188号 |
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判決日付 | 平成27年4月22日 |
判示事項 | 原告である相続人が、遺産分割協議の当時、被相続人の死亡前後に引き出された多額の預貯金(4,330万円)や、遺産分割協議書に記載されていない財産(上場株式)の存在を知らなかったという場合において、原告である相続人は、遺産分割協議書には被相続人のほぼ全ての財産が記載されていると誤診していたものであるから、当該遺産分割協議は錯誤により無効であるとされた事例。 |
判例No. 1056
さいたま地方裁判所熊谷支部 平成25年(ワ)第364号 遺言無効確認等請求事件
事件番号 | さいたま地方裁判所熊谷支部判決/平成25年(ワ)第364号 |
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判決日付 | 平成27年3月23日 |
判示事項 | 遺言者が全盲であっても、遺言者が口授し、公証人が遺言の内容を読み聞かせることによってその内容を確認できることから、全盲の者が作成した公正証書遺言も、遺言者が口授し、公証人が遺言の内容を読み聞かせれば有効である。 遺言は、遺言者の最終的な意思表示であり、しかも死後においては自らその内容、動機等を説明することができないのであるから、錯誤の認定は慎重になされることが必要であるところ、遺言者の作成した遺言の骨子と本件の公正証書遺言の内容に齟齬があることに加え、遺言者が全盲で、作成時に79歳と高齢であったこと等に照らせば、遺言者は、遺言内容の重要部分につき誤信をしていたとして、遺言が錯誤により無効とされた事例。 |