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遺産分割

遺産分割一覧

遺産分割 特別受益寄与分持ち戻し免除

判例No. 1034

東京高等裁判所 平成21年(ラ)第617号 遺産分割審判等に対する抗告事件

事件番号東京高等裁判所決定/平成21年(ラ)第617号
判決日付平成22年5月20日
判示事項

寄与相続人であるとともに特別受益相続人でもある相続人がいる場合、同人が持ち戻しを命じられた特別受益の全体額が具体的相続分を超過するとしても、その超過した特別受益部分を審判により認定された寄与分からさらに差し引くことはできないとした事例。


遺産分割 錯誤遺産分割協議の無効

判例No. 1072

東京地方裁判所 平成26年(ワ)2823号 遺産分割協議無効確認等請求事件

事件番号東京地方裁判所判決/平成26年(ワ)2823号
判決日付平成28年10月19日
判示事項A国の戸籍に記載されていた被相続人の相続に関し、相続人の一人が他の相続人に対し、A国民法に基づいて、遺産分割協議の通謀虚偽表示による無効を主張し、予備的に同協議の錯誤による取消(※A国民法に基づく)を主張した事案である。原告は、遺産分割協議の通謀虚偽表示無効の理由として、遺産分割協議に出席した税理士から、葬儀費用・税金等を直ちに支払うためには被相続人名義の預金口座を被告名義の口座に換える必要があると言われたことから、本件協議書の内容の合意をする意思がないにもかかわらず、通謀してそのような意思があるように合意したことを主張し、遺産分割協議の錯誤取消の理由として、(1)税理士の上記説示により、被相続人名義の預金口座を被告名義の口座に換える必要があるとの錯誤に陥ったこと、(2)遺産分割協議書に署名押印する前後に証人Bから「事後報告を完全にしてください」という発言があったため、後日、真実の遺産分割協議があるものと誤信したことを主張した。

これに対し、本判決は、証人Bの供述は、本件協議書に署名・押印がされた場面についての重要な点すら覚えておらず信用できないと述べた上、原告の供述等のみでは原告らの主張する事実を認定することはできないとした。また、仮に税理士から上記原告の主張するような発言がされたとしても、遺産分割協議書には、遺産分割方法が記載されており、原告らはそれに署名押印していること、原告は社会経験のある成人であること、相続人らが一同に会する場で、弁護士立会いの下、印鑑証明書を持参し、実印で押印していること等を認定し、原告が本件協議書の内容を理解せずに署名押印したとは認められないとして、原告の虚偽表示無効の主張を認めなかった。

また、錯誤取消については、上記の理由に加え、遺産分割協議の対象に不動産が含まれていることから、原告が、法要等の支払いのために分割協議をしなければならないと誤信することはないこと、遺産分割協議の前に読み上げられた被相続人の遺嘱には、被告に財産処分を任せるとの意向が記載されており、原告はその内容に同意していたと認められること等から、原告は錯誤に陥っておらず、仮に錯誤があったとしても過失があるとして、原告の錯誤取消の主張も認めなかった。
遺産分割 寄与分介護扶養義務

判例No. 1036

東京高等裁判所 平成21年(ラ)第878号 遺産分割審判等に対する抗告事件

事件番号東京高等裁判所決定/平成21年(ラ)第878号
判決日付平成22年9月13日
判示事項

相続人の妻による被相続人の介護が、本来であればヘルパー等を雇って行われるのが相当である状況で行われたこと、その他の介護も約13年余りの長期にわたって行われたことから、当該妻による介護は、同居の親族の扶養義務の範囲を超え、相続人の履行補助者として相続財産の維持に貢献した側面があると評価することが相当であるとして、200万円の寄与分が認められた事例。


相続人が、約15年間、自己の給与をいったん家計に入れて被相続人にその管理を任せることによって、被相続人の相続財産の維持及び増加に寄与したものということができるとして、200万円の寄与分が認められた事例。


遺産分割 寄与分

判例No. 1075

東京家庭裁判所 平成29年(家)52号、61号、62号 遺産分割申立事件 寄与分を求める処分申立事件

事件番号東京家庭裁判所決定/平成29年(家)52号、平成29年(家)61号、平成29年(家)62号
判決日付平成29年9月8日
判示事項被相続人の唯一の遺産が、訴外亡甲(被相続人の子)から贈与された土地のみである場合、甲は同土地を贈与したという特別の寄与をした者といえ、被相続人が贈与後に同土地の価値を維持又は増加させたともいえない場合、その寄与分は100パーセントとなるところ、訴外亡甲の相続人で、被相続人の代襲相続人でもある訴外亡甲の2名の子(相続分等分)の寄与分は各人に2分の1ずつ帰属するとして、両名による土地の共有取得を認めた事例。
遺産分割 共同相続人遺産の範囲預貯金契約

判例No. 1037

最高裁判所第2小法廷 平成21年(受)第565号 遺産確認請求事件

事件番号最高裁判所第2小法廷判決/平成21年(受)第565号
判決日付平成22年10月8日
判示事項

定額郵便貯金債権が遺産に属することの確認を求める訴えに、確認の利益が認められるか。


判決要旨

郵便貯金法は定額郵便貯金債権の分割を許容するものではなく、同債権は、その預金者が死亡したからといって、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである。そうであれば、同債権の最終的な帰属は、遺産分割の手続において決せられるべきことになるのであるから、遺産分割の前提問題として、民事訴訟の手続において、同債権が遺産に属するか否かを決する必要性も認められるというべきである。
そうすると、共同相続人間において、定額郵便貯金債権が現に被相続人の遺産に属することの確認を求める訴えについては、その帰属に争いがある限り、確認の利益があるというべきである。