養子縁組

養子縁組一覧

養子縁組 当事者適格縁組意思

判例No. 1026

大阪高等裁判所 平成20年(ネ)第2947号 養子縁組無効確認請求事件

事件番号 大阪高等裁判所判決/平成20年(ネ)第2947号
判決日付 平成21年5月15日
判示事項

相続財産法人である被控訴人は、本件養子縁組が無効であるか否かによって相続に関する地位に直接影響を受ける者として、本件養子縁組の無効確認を求める法律上の利益を有するというべきであり、原告適格を欠くとはいえないとした事例。


民法802条1号にいう「縁組をする意思」とは、真に社会通念上親子であると認められる関係の設定を欲する意思をいうものと解すべきであり、したがって、たとえ縁組の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいては、当事者間に、一応法律上の親子という身分関係を設定する意思があったといえる場合であっても、それが、単に他の目的を達するための便法として用いられたもので、真に親子関係の設定を欲する意思に基づくものでなかった場合には、縁組は、当事者の縁組意思を欠くものとして、その効力を生じないものと解すべきであるとした上で、親子関係は必ずしも共同生活を前提とするものではないから、養子縁組が、主として相続や扶養といった財産的な関係を築くことを目的とするものであっても、直ちに縁組意思に欠けるということはできないが、当事者間に財産的な関係以外に親子としての人間関係を築く意思が全くなく、純粋に財産的な法律関係を作出することのみを目的とする場合には、縁組意思があるということはできないとした事例。



養子縁組 認知症縁組意思

判例No. 1030

名古屋家庭裁判所 平成20年(家ホ)第366号 養子縁組無効確認請求事件

事件番号 名古屋家庭裁判所判決/平成20年(家ホ)第366号
判決日付 平成21年11月20日
判示事項

亡甲の兄である原告が、被告と甲との間の養子縁組の無効確認を求めた事案において、甲には前頭側頭葉型認知症が疑われ、躁状態による脱抑制、人格変化が認められる問題行動も起こしていたのであるから、原告に対する一時の反発感情から、養子縁組の効果についてよく理解せず、本件養子縁組をしたと推認し、養子縁組の無効を確認した事例。


養子縁組 縁組意思

判例No. 1033

名古屋高等裁判所 平成21年(ネ)第1151号 養子縁組無効確認請求控訴事件

事件番号 名古屋高等裁判所判決/平成21年(ネ)第1151号
判決日付 平成22年4月15日
判示事項

養親子関係という真の身分関係を形成する意思とは異なり、特定の相続人への相続を阻止する等何らかの方便として養子縁組の形式を利用したに過ぎない場合は、縁組意思を欠くものとして養子縁組が無効になると判断した事例。


養子縁組 意思能力認知症

判例No. 1035

名古屋家庭裁判所 平成21年(家ホ)第264号 養子縁組無効確認請求事件

事件番号 名古屋家庭裁判所判決/平成21年(家ホ)第264号
判決日付 平成22年9月3日
判示事項

被告や乙夫婦による甲の世話等の事実からみれば、甲が被告や乙家族に対する感謝の念から、被告や乙家族に対し、被告との養子縁組を希望する発言をしたことがあったことは認められるが、他方で、甲は、丙の妻丁に対しては、自分の面倒を丙の妻丁に依頼する発言をし、戊に対しては、被告との養子縁組に否定的な発言をしていたものであり、かかる甲の行動や、同人の当時の年齢・心身状態からすると、同人の弁識力・判断力等にかなりの衰えがあったと認められ、その場の状況次第では、真意の如何とは別に、たやすく身近な人の意向に沿う発言をするような精神状態にあったと推認できること、また、甲は認知症等と診断され、寝たきりのため全面的に介助が必要な状況にあり、医師等の問いかけに反応せず、呼名に「はー」と応えるのみで、意味不明の奇声を発し、意思疎通が可能な状況ではなかった等の理由から、認知症等に罹患した養親に養子縁組の意思がなかったとして養子縁組無効確認請求が認容された事例。

養子縁組 認知症意思能力

判例No. 1040

長野家庭裁判所諏訪支部 平成23年(家ホ)第1号 養子縁組無効確認請求事件

事件番号 長野家庭裁判所諏訪支部判決/平成23年(家ホ)第1号
判決日付 平成24年5月31日
判示事項

養子縁組をなすにあたって求められる意思能力ないし精神機能の程度は、格別高度な内容である必要はなく、親子という親族関係を人為的に設定することの意義を常識的に理解しうる程度であれば足りると解されるところ、養親の認知症は、診断当初は、軽度のものであったところ、その後本件縁組までの間、どの程度進行したかに関する情報が少なく、本件縁組直前の主治医の意見では、同時期の介護認定のための調査結果よりも軽度の評価に留まること、本件縁組及び本件各贈与に関わった司法書士も養親について本件各不動産の被告への名義変更に関してよく理解していたと述べていること、本件縁組届の記載から特段不自然な点はうかがわれないことに鑑みれば、本件縁組当時、養親に養子縁組をなす意思能力がなかったとまでは認めることはできず、認知症の老人のした養子縁組届につき、意思能力又は縁組意思がなかったとまでは認められないとして、養子縁組無効確認請求を棄却した事例。