遺産の範囲
遺産の範囲一覧
判例No. 1067
最高裁判所第1小法廷 平成28年(受)第579号 預金返還等請求事件
事件番号 | 最高裁判所第1小法廷判決/平成28年(受)第579号 |
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判決日付 | 平成29年4月6日 |
判示事項 | 共同相続された定期預金債権及び定期積金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない。 |
判決要旨 | 定期預金は、預入れ1口ごとに1個の預金契約が成立し、預金者は解約をしない限り払い戻しをすることができないのであり、契約上その分割払い戻しは制限されている。そして、この制限は、一定期間内には払い戻しをしないという条件とともに定期預金の利率が高いことの前提となっており、単なる特約ではなく定期預金債権の要素というべきである。そして、この理は、定期積金についても異ならない。したがって、共同相続された定期預金債権及び定期積金債権は、いずれも、相続開始と同時に相続分に応じて分割されることはない。 |
判例No. 1065
最高裁判所大法廷 平成27年(許)第11号 遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
事件番号 | 最高裁判所大法廷決定/平成27年(許)第11号 |
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判決日付 | 平成28年12月19日 |
判示事項 | 共同相続された普通預金債権、通常貯金債権および定期貯金債権は、遺産分割の対象となるか。 |
判決要旨 | 共同相続された普通預金債権、通常貯金債権および定期貯金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる。 |
判例No. 1037
最高裁判所第2小法廷 平成21年(受)第565号 遺産確認請求事件
事件番号 | 最高裁判所第2小法廷判決/平成21年(受)第565号 |
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判決日付 | 平成22年10月8日 |
判示事項 | 定額郵便貯金債権が遺産に属することの確認を求める訴えに、確認の利益が認められるか。 |
判決要旨 | 郵便貯金法は定額郵便貯金債権の分割を許容するものではなく、同債権は、その預金者が死亡したからといって、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである。そうであれば、同債権の最終的な帰属は、遺産分割の手続において決せられるべきことになるのであるから、遺産分割の前提問題として、民事訴訟の手続において、同債権が遺産に属するか否かを決する必要性も認められるというべきである。 |
判例No. 1032
東京高等裁判所 平成21年(ラ)第985号 遺産分割審判等に対する抗告事件
事件番号 | 東京高等裁判所決定/平成21年(ラ)第985号 |
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判決日付 | 平成21年12月18日 |
判示事項 | 特定の相続人に不動産を相続させる旨の遺言がある場合、当該相続人は相続開始時に当該不動産の所有権を何らの行為を要しないで確定的に取得したものであるから、当該相続人が遺言の利益を放棄する旨の陳述を行ったとしても、当該相続人が、遺言が無効であることを主張しておらず、その他、相続財産を遺産分割の対象とみるべき特段の事情のない限り、当該財産が被相続人の遺産として遺産分割の対象となる性質のものになるとはいえないと判示した事例。 |
判例No. 1005
最高裁判所第1小法廷 平成16年(受)第1222号 預託金返還請求事件
事件番号 | 最高裁判所第1小法廷判決/平成16年(受)第1222号 |
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判決日付 | 平成17年9月8日 |
判示事項 | 共同相続した不動産から生ずる賃料債権の帰属と、後にされた遺産分割による影響の有無について。 |
判決要旨 | 相続開始後に遺産である賃貸不動産から生じた賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し、後にされた遺産分割によって、当該賃料債権の帰属が影響を受けることはない。 |