遺留分
遺留分一覧
遺留分
成年後見時効
判例No. 1050
最高裁判所第2小法廷 平成25年(受)第1420号 遺留分減殺請求事件
事件番号 | 最高裁判所第2小法廷判決/平成25年(受)第1420号 |
---|---|
判決日付 | 平成26年3月14日 |
判示事項 | 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がいない場合、民法158条1項の類推適用により時効の完成が停止されるか。 |
判決要旨 | 時効期間満了前6か月以内の間に、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がいない場合において、少なくとも、時効の期間満了前の申立てに基づき、後見開始の審判がされたときは、民法158条1項の類推適用により、法定代理人が就職した時から6か月を経過するまでの間は、その者に対して時効は完成しないとして、法定代理人による遺留分減殺請求権の行使が認められた事例。 |
遺留分
遺留分減殺請求時効除斥期間
判例No. 1060
仙台高等裁判所 平成27年(ネ)第30号 遺留分減殺請求控訴事件
事件番号 | 仙台高等裁判所判決/平成27年(ネ)第30号 |
---|---|
判決日付 | 平成27年9月16日 |
判示事項 | 相続の開始があった時から10年を経過した後にした遺留分減殺請求権の行使について、被相続人による遺言が無効であると信じていたのが、主に相続人の一人の見解によるものであった場合に、当該相続人が見解を改めて以降は、遺言を無効と判断する事由が解消され、遺留分減殺請求権の行使を期待できない特段の事情が解消されたとして、遺留分減殺請求権消滅の効果が生じたとされた事例。 |
遺留分
代襲相続預貯金契約
判例No. 1071
東京高等裁判所 平成27年(ワ)第31689号 貯金払戻請求事件
事件番号 | 東京高等裁判所/平成27年(ワ)第31689号 |
---|---|
判決日付 | 平成28年10月4日 |
判示事項 | 被相続人が、養子の子ら(養子縁組前に生まれていたもの)に預貯金を遺贈する内容の遺言をしたところ、被相続人の子である原告が、養子の子らに対して遺留分減殺請求権を行使したうえ、ゆうちょ銀行に対し、戸籍謄本や遺言書等を提示して、貯金のうち原告の遺留分割合に相当する金額の払戻し及び遅延損害金の支払いを請求した事件。 ゆうちょ銀行は、 (1)被相続人の相続開始前に養子が死亡していたため、法解釈によっては養子の子らも被相続人の代襲相続人となり得ること、また、ゆうちょ銀行には特別受益等の事情は分からないため具体的な遺留分侵害額を知る由がないこと、さらに、本件においては供託することもできない事情があったことから、払戻しを行うことはできず、 (2)払戻しを拒んだとしても遅延損害金は発生しないうえ、 (3)仮に遅延損害金が発生するとしても、被相続人が貯金口座を開設し当時、ゆうちょ銀行は民営化の前であったため、遅延損害金は商事法定利率の6%ではなく、民事法定利率の5%であると主張して、原告の請求を拒んだ。 本判決は、 (1)民法第887条第2項の解釈から養子縁組前の生まれていた養子の子は養親の代襲相続人とならないことは明らかであり、ゆうちょ銀行も戸籍謄本等によって原告が被相続人の相続人であることを認識し得たこと、特別受益等の事情が分からないまま払戻しを行うことによって他の相続人との関係で後から紛争が生じる可能性や供託ができない場合がある可能性は否定できないものの、具体的な遺留分金額が明らかとならない限り払戻しを受けられないとすると遺留分減殺により取得した権利の行使が不当に妨げられる結果となるうえ、本件においては特別受益や寄与分など、原告の具体的な遺留分侵害額が抽象的な遺留分割合と異なることをうかがわせるような事情は存在しないことから、ゆうちょ銀行には払戻しに応じる義務があり、 (2)払戻しを行わなかったことは履行遅滞にあたり遅延損害金が発生するとし、さらに、 (3)郵政民営化法第174条1項の規定から、民営化前の貯金も民営化の際にゆうちょ銀行が受け入れた預金となることから遅延損害金の利率は商事法定利率の6%となる、と判断した。 |