遺留分

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遺留分 相続分の指定特別受益持ち戻し免除

判例No. 1039

最高裁判所第1小法廷 平成23年(許)第25号 遺産分割審判に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件

事件番号 最高裁判所第1小法廷決定/平成23年(許)第25号
判決日付 平成24年1月26日
判示事項

遺言による相続分の指定が遺留分減殺請求により減殺された場合、各相続人の相続分はどのように修正されるか。


特別受益に当たる贈与について持戻し免除の意思表示がなされている場合に、遺留分減殺請求がなされたことによる相続分の算定方法。


判決要旨

相続分の指定が、特定の財産を処分する行為ではなく、相続人の法定相続分を変更する性質の行為であること、及び、遺留分制度が被相続人の財産処分の自由を制限し、相続人に被相続人の財産の一定割合の取得を保障することをその趣旨とするものであることに鑑みれば、遺留分減殺請求により相続分の指定が減殺された場合には、遺留分割合を超える相続分を指定された相続人の指定相続分が、その遺留分割合を超える部分の割合に応じて修正されると解するのが相当である。


被相続人が、特別受益に当たる贈与につき、当該贈与に係る財産の価額を相続財産に算入することを要しない旨の意思表示をしていた場合であっても、上記価額は遺留分算定の基礎となる財産額に算入されるものと解される。そこで、被相続人の当該意思表示が遺留分減殺請求により減殺された場合、当該贈与に係る財産の価額は、上記意思表示が遺留分を侵害する限度で、遺留分権利者である相続人の相続分に加算され、当該贈与を受けた相続人の相続分から控除される。

遺留分 成年後見時効

判例No. 1050

最高裁判所第2小法廷 平成25年(受)第1420号 遺留分減殺請求事件

事件番号 最高裁判所第2小法廷判決/平成25年(受)第1420号
判決日付 平成26年3月14日
判示事項

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がいない場合、民法158条1項の類推適用により時効の完成が停止されるか。

判決要旨

時効期間満了前6か月以内の間に、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がいない場合において、少なくとも、時効の期間満了前の申立てに基づき、後見開始の審判がされたときは、民法158条1項の類推適用により、法定代理人が就職した時から6か月を経過するまでの間は、その者に対して時効は完成しないとして、法定代理人による遺留分減殺請求権の行使が認められた事例。

遺留分 遺留分減殺請求時効除斥期間

判例No. 1060

仙台高等裁判所 平成27年(ネ)第30号 遺留分減殺請求控訴事件

事件番号 仙台高等裁判所判決/平成27年(ネ)第30号
判決日付 平成27年9月16日
判示事項

相続の開始があった時から10年を経過した後にした遺留分減殺請求権の行使について、被相続人による遺言が無効であると信じていたのが、主に相続人の一人の見解によるものであった場合に、当該相続人が見解を改めて以降は、遺言を無効と判断する事由が解消され、遺留分減殺請求権の行使を期待できない特段の事情が解消されたとして、遺留分減殺請求権消滅の効果が生じたとされた事例。