遺産分割
遺産分割一覧
判例No. 1006
最高裁判所第3小法廷 平成17年(許)第14号 遺産分割審判に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件
事件番号 | 最高裁判所第3小法廷決定/平成17年(許)第14号 |
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判決日付 | 平成17年10月11日 |
判示事項 | 相続の開始後、遺産分割未了の間に二次相続が開始した場合において、二次被相続人から特別受益を受けた者があるとき、持戻しは必要か否か。 |
判決要旨 | 遺産は、相続人が数人ある場合において、それが当然に分割されるものでないときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属し、共同相続人が取得する遺産の共有持分権は、実体上の権利であって遺産分割の対象となるというべきである。 |
判例No. 1065
最高裁判所大法廷 平成27年(許)第11号 遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
事件番号 | 最高裁判所大法廷決定/平成27年(許)第11号 |
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判決日付 | 平成28年12月19日 |
判示事項 | 共同相続された普通預金債権、通常貯金債権および定期貯金債権は、遺産分割の対象となるか。 |
判決要旨 | 共同相続された普通預金債権、通常貯金債権および定期貯金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる。 |
判例No. 1016
大阪高等裁判所 平成18年(ラ)第1052号 遺産分割及び寄与分を定める処分審判に対する抗告事件
事件番号 | 大阪高等裁判所決定/平成18年(ラ)第1052号 |
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判決日付 | 平成19年12月6日 |
判示事項 | 被相続人の療養看護、農業への従事、不動産の補修等への費用支出について、遺産の維持形成への寄与を認めつつ、寄与相続人も被相続人と長年同居してきたことにより相応の利益を受けてきた側面もあること、農業への従事は専業として貢献した場合と同視することのできる寄与とまでは評価できないこと、建物の補修費関係の出費は寄与相続人自身の利益にもなっており支出額に即して評価すべきでないこと等から、寄与分を遺産総額の30%と定めた原審判を変更し、遺産総額の15%と定めた事例。 |
判例No. 1068
東京高等裁判所 平成27年(ネ)第5825号 遺産分割金支払請求控訴事件
事件番号 | 東京高等裁判所/平成27年(ネ)第5825号 |
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判決日付 | 平成28年5月17日 |
判示事項 | 控訴人が、被相続人の遺産を管理する被控訴人に対して、遺産分割協議の内容にしたがって金銭を支払うことを請求したのに対し、被控訴人から、遺産分割協議における控訴人の寄与分についての説明(不動産の評価額、寄与分の算定方法等)に誤りがあったとして、遺産分割協議の錯誤無効を主張して金銭の支払いを拒否した事案において、第一審は、被控訴人の主張を認め、遺産分割協議が錯誤によって無効であるとして控訴人の請求を棄却した。 これに対して控訴人が控訴したところ、本判決は、寄与分の有無及び程度が当事者によって自由に処分することのできる性質の事柄であることを前提として、本件遺産分割協議の場において控訴人が最終的に提案した寄与分の金額が当事者の主張として十分あり得るものであること、また、不動産の価額の資料や、控訴人の主張する寄与分の前提事実の資料について、もしこれを精査する必要があるなら、資料の提出と再度の協議を要求すればよいことであり、それが到底できなかった事情は見当たらないことから、本件遺産分割協議に錯誤あったとは認められないとして、控訴人の請求を認めた。 上記のような判断にあたって、本判決は、本件遺産分割協議において不動産を控訴人の所有とすることには共同相続人間で異存はなく、また、控訴人が遺産分割協議の場で説明した不動産の金額と実際の不動産の金額の乖離の程度等からすると、不動産の価額がいくらであるかは、遺産全体の価額における寄与分の価額の割合としては大きな影響を与えるものとはいえないなどとした。 |
判例No. 1024
東京家庭裁判所 平成17年(家)第4989号、平成20年(家)第299号、平成20年(家)第300号 遺産分割申立事件、寄与分を定める処分申立事件
事件番号 | 東京家庭裁判所審判/平成17年(家)第4989号、平成20年(家)第299号、平成20年(家)第300号 |
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判決日付 | 平成21年1月30日 |
判示事項 | 遺産総額(約2億6,700万円)及び被相続人の収入状況からすると、被相続人から相続人に対する継続的な送金のうち、一月に10万円を超える送金は生計資本としての贈与であると認められるが、これに満たないその余の送金は親族間の扶養的金銭援助にとどまり生計資本としての贈与とは認められないとされた事例。 被相続人が、相続人の子を3歳から高校卒業までの間の養育し、その費用を負担したことは、相続人自身に対する生計資本としての贈与とは直ちにいえないし、相続人の生計維持に貢献した分があったとしても、孫の養育費用について相続人の特別受益として考慮する意思は被相続人になかったと推認されるので、黙示的な特別受益の持戻し免除の意思表示があったものというべきとされた事例。 被相続人が経営する会社から支払われた給与について、仮に相続人に稼働実態がなかったとしても、会社からの贈与であって被相続人からの贈与とはいえないとされた事例。 |