遺言
遺言一覧
判例No. 1009
横浜地方裁判所 平成17年(ワ)第678号 遺言無効確認請求事件
事件番号 | 横浜地方裁判所判決/平成17年(ワ)第678号 |
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判決日付 | 平成18年9月15日 |
判示事項 | 遺言作成当時85歳の老人の公正証書遺言につき、本件遺言当時、遺言者には記憶障害、見当識障害等があり、中等度から高度に相当するアルツハイマー型の認知症に陥っており遺言能力がなかったとして、原告らの請求を認め、公正証書遺言が無効であると判断した事例。 |
判例No. 1073
東京地方裁判所 平成27年(ワ)26976号 遺言無効確認等請求事件
事件番号 | 東京地方裁判所判決/平成27年(ワ)26976号 |
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判決日付 | 平成28年12月7日 |
判示事項 | すでにある遺言を撤回する遺言に関して遺言者の遺言能力が争われた事案につき、診断書や要介護認定調査票の記載を基にすると、遺言の前後において、被相続人の判断能力に特段の問題はないこと、遺言の動機や経緯はそれが明確に表示されていない限り、事後に第三者がその真意を確定することは困難で、経緯が明らかでないことをもって遺言能力がないとはいえないこと、遺言は公正証書により作成されており、意思確認手続が踏まれていること等を考慮し、遺言能力を肯定した。 |
判例No. 1010
東京高等裁判所 平成18年(ネ)第1825号 遺言無効確認請求控訴事件
事件番号 | 東京高等裁判所判決/平成18年(ネ)第1825号 |
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判決日付 | 平成18年10月25日 |
判示事項 | 既に開封されていた封筒裏面に遺言者の記名押印があるが、遺言内容の記載された書面には遺言者の署名押印を欠いている場合の遺言が、自筆証書遺言としての民法968条1項所定の方式を欠くものとして無効とされた事例。 |
判例No. 1074
東京高等裁判所 平成29年(ネ)1060号 遺言無効確認請求、同反訴請求控訴事件
事件番号 | 東京高等裁判所判決/平成29年(ネ)1060号 |
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判決日付 | 平成29年8月3日 |
判示事項 | 被相続人は、平成22年10月20日、全財産を控訴人らに相続させる内容の公正証書による遺言(以下「本件公正証書」という。)をした後、平成23年9月8日、これまでの遺言をすべて取り消す旨の自筆証書による遺言(以下「本件自筆証書遺言」という。)を作成した。 被相続人の孫である被控訴人らのうち一名が、被相続人の子である控訴人ら及び自分以外の被控訴人に対し、本件公正証書遺言が本件自筆証書遺言により取り消されて無効であることの確認を求め、反訴として、控訴人らが、被控訴人らに対し、本件自筆証書遺言が無効であることの確認を求めた事案である。被控訴人は、被相続人は身の安全の確保のために本件公正証書遺言を作成したにすぎず、後日これを無効とするために、本件自筆証書遺言を作成したと主張した。一方、控訴人らは、被相続人は被控訴人らに事業を妨げられないようにするために本件公正証書遺言をしたのであり、本件自筆証書遺言については、作成時、被相続人には自書能力が無く、印影も、被相続人の実印ないし認印によるものではないとして、その無効を主張した。 これに対し、本判決は、本件公正証書遺言の成立について当事者間に争いが無いとした上、被控訴人の主張する、被相続人は身の安全の確保のために本件公正証書遺言を作成したにすぎないという主張は、証拠がなく憶測の域を出ないとして、本件公正証書遺言を有効とした。 また、本件自筆証書遺言については、本件自筆証書における被相続人の筆跡は被相続人自身の筆跡と同一であると判断した筆跡鑑定書は、性質上、証明力に限界があり、反対趣旨の鑑定書の存在も考慮すれば、鑑定書のみによって被相続人による自書であると判断するのは相当ではないとし、また、本件自筆証書遺言作成前後に関する控訴人らの供述は信用できないと述べた上、印影が被相続人の実印及び認印の印影と一致しないこと、真正に成立したものと認められない平成21年遺言書と文面及び体裁が似ていること、作成された時期に被相続人と被控訴人の間に株式売却代金返還の争いが生じていたこと等を認定し、本件自筆証書遺言が真正に成立したものと認めることはできないとした。 |
判例No. 1011
東京地方裁判所 平成16年(ワ)第21091号 遺言無効確認請求事件
事件番号 | 東京地方裁判所判決/平成16年(ワ)第21091号 |
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判決日付 | 平成18年12月26日 |
判示事項 | 自筆証書遺言は、(1)遺言者が証書作成時に自書能力を有し、(2)他人の添え手が、単に始筆若しくは改行にあたり若しくは字の間配りや行間を整えるため遺言者の手を用紙の正しい位置に導くにとどまるか、又は遺言者の手の動きが遺言者の望みに任されており、遺言者は添え手をした他人から単に筆記を容易にするための支えを借りただけであり、かつ、(3)添え手が上記のような態様のものにとどまること、すなわち添え手をした他人の意思が介入した形跡のないことが筆跡の上で判定できることを要するとした上、本件の遺言者は自書能力を有していたとは断じ難い上、被告が本件遺言書作成の際にした添え手は、単に始筆、改行、字の間配りや行間を整えるため亡二郎の手を用紙の正しい位置に導くにとどまり、又は亡二郎の手の動きが望みに任され、被告から単に筆記を容易にするための支えを借りたにとどまるというものではなく、その筆跡上、被告の意思が介入した形跡のないことが判定できるようなものではないとして、遺言書を無効と判断した事例。 |