遺言

遺言一覧

遺言 自筆証書遺言遺言能力遺言の方式

判例No. 1011

東京地方裁判所 平成16年(ワ)第21091号 遺言無効確認請求事件

事件番号 東京地方裁判所判決/平成16年(ワ)第21091号
判決日付 平成18年12月26日
判示事項

自筆証書遺言は、(1)遺言者が証書作成時に自書能力を有し、(2)他人の添え手が、単に始筆若しくは改行にあたり若しくは字の間配りや行間を整えるため遺言者の手を用紙の正しい位置に導くにとどまるか、又は遺言者の手の動きが遺言者の望みに任されており、遺言者は添え手をした他人から単に筆記を容易にするための支えを借りただけであり、かつ、(3)添え手が上記のような態様のものにとどまること、すなわち添え手をした他人の意思が介入した形跡のないことが筆跡の上で判定できることを要するとした上、本件の遺言者は自書能力を有していたとは断じ難い上、被告が本件遺言書作成の際にした添え手は、単に始筆、改行、字の間配りや行間を整えるため亡二郎の手を用紙の正しい位置に導くにとどまり、又は亡二郎の手の動きが望みに任され、被告から単に筆記を容易にするための支えを借りたにとどまるというものではなく、その筆跡上、被告の意思が介入した形跡のないことが判定できるようなものではないとして、遺言書を無効と判断した事例。


遺言 認知症公正証書遺言

判例No. 1012

大阪高等裁判所 平成18年(ネ)第2970号 遺言無効確認請求控訴事件

事件番号 大阪高等裁判所判決/平成18年(ネ)第2970号
判決日付 平成19年4月26日
判示事項

認知症により入院中の高齢者(91歳)の公正証書遺言について、認知症の症状が増悪していたこと、作成当時の体調が不良であったこと等から、遺言者が遺言能力を欠くものであって無効であるとされた事例。


遺言 遺言の変更自筆証書遺言遺言の方式

判例No. 1014

東京地方裁判所 平成17年(ワ)第18176号、平成17年(ワ)第27302号 相続権不存在確認等請求、建物明渡等請求反訴事件

事件番号 東京地方裁判所判決/平成17年(ワ)第18176号、平成17年(ワ)第27302号
判決日付 平成19年7月12日
判示事項

自筆遺言証書中の日付の訂正について、訂正の場所に押印されているが、変更場所の指示及び変更した旨の付記、署名が欠けている場合に、日付の訂正は有効に行われたとされた事例。


遺言 認知症公正証書遺言遺言の方式

判例No. 1020

東京地方裁判所 平成19年(ワ)第15630号 遺言無効確認請求事件

事件番号 東京地方裁判所判決/平成19年(ワ)第15630号
判決日付 平成20年11月13日
判示事項

遺言者が公正証書によって遺言をするに当たり、公証人の質問に対し、言語をもって陳述することなく、単に肯定又は否定の挙動を示したにすぎないときは、民法969条2号にいう口授があったものとはいえないと解するのが相当であるとした上、遺言書作成の際に、遺言者が公証人と手を握り、公証人による遺言公正証書の案文の読み聞かせに対し手を握り返したにすぎず、言語をもって陳述していないときは、民法969条2号の口授があったものとは認められないとした事例。


遺言

判例No. 1022

東京高等裁判所 平成20年(ラ)第1677号 遺言確認申立却下審判に対する抗告事件

事件番号 東京高等裁判所決定/平成20年(ラ)第1677号
判決日付 平成20年12月26日
判示事項

家庭裁判所が、危急時遺言が遺言者の真意に出たものであることの確認手続において得るべき心証の程度について、危急時遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければこれを確認することはできないが、この確認には既判力がなく、他方でこの確認を経なければ遺言は効力を生じないことに確定するから、真意に出たものであるとの心証は、確信の程度に及ぶ必要はないものと判示した事例。