遺言

遺言一覧

遺言 自筆証書遺言遺言能力認知症

判例No. 1008

東京地方裁判所 平成14年(ワ)第19308号 土地所有権移転登記抹消登記手続請求事件

事件番号 東京地方裁判所判決/平成14年(ワ)第19308号
判決日付 平成18年7月25日
判示事項

認知症により、記憶障害、徘徊、失見当識などの症状がある高齢者(88歳)が作成した自筆証書遺言について、遺言者が遺言能力を欠くものであって、無効であるとされた事例。

遺言 自筆証書遺言遺言の方式

判例No. 1064

東京地方裁判所 平成27年(ワ)第15323号 遺言書有効確認請求事件

事件番号 東京地方裁判所判決/平成27年(ワ)第15323号
判決日付 平成28年3月25日
判示事項

2枚からなる自筆遺言証書の遺言者の署名下に押印がなく、実印による契印のみがある場合であっても、我が国一般の慣習に照らすと、契印が押捺されるのは、契約書や遺言書などの重要な書類を作成する場合において、その一体性を確保し、後日の差し替え等を防止するためにあえて行われるものであるから、遺言者は、本件遺言書の重要性を認識した上で、あえて契印をしたものと考えられ、民法968条1項所定の「押印」の要件を満たすといえるので、遺言は有効であるとした事例。

遺言 遺言能力認知症公正証書遺言

判例No. 1009

横浜地方裁判所 平成17年(ワ)第678号 遺言無効確認請求事件

事件番号 横浜地方裁判所判決/平成17年(ワ)第678号
判決日付 平成18年9月15日
判示事項

遺言作成当時85歳の老人の公正証書遺言につき、本件遺言当時、遺言者には記憶障害、見当識障害等があり、中等度から高度に相当するアルツハイマー型の認知症に陥っており遺言能力がなかったとして、原告らの請求を認め、公正証書遺言が無効であると判断した事例。

遺言 認知症遺言の撤回遺言能力

判例No. 1073

東京地方裁判所 平成27年(ワ)26976号 遺言無効確認等請求事件

事件番号 東京地方裁判所判決/平成27年(ワ)26976号
判決日付 平成28年12月7日
判示事項 すでにある遺言を撤回する遺言に関して遺言者の遺言能力が争われた事案につき、診断書や要介護認定調査票の記載を基にすると、遺言の前後において、被相続人の判断能力に特段の問題はないこと、遺言の動機や経緯はそれが明確に表示されていない限り、事後に第三者がその真意を確定することは困難で、経緯が明らかでないことをもって遺言能力がないとはいえないこと、遺言は公正証書により作成されており、意思確認手続が踏まれていること等を考慮し、遺言能力を肯定した。
遺言 自筆証書遺言遺言の方式

判例No. 1010

東京高等裁判所 平成18年(ネ)第1825号 遺言無効確認請求控訴事件

事件番号 東京高等裁判所判決/平成18年(ネ)第1825号
判決日付 平成18年10月25日
判示事項

既に開封されていた封筒裏面に遺言者の記名押印があるが、遺言内容の記載された書面には遺言者の署名押印を欠いている場合の遺言が、自筆証書遺言としての民法968条1項所定の方式を欠くものとして無効とされた事例。